Beyond


2020

Vol.17 カヌー部4回生 棚田大志

目指すは東京五輪!!

大学での4年間を経て夢の舞台へ!


本日のBeyondは、カヌー部4回生の棚田大志さんです。

立命館大学体育会カヌー部として輝かしい成績を残し日本代表に選出され、目前に迫った東京五輪の出場権獲得に向けて国内外で練習に励む棚田さん。

大学入学直後は、怪我に苦しみ競技を辞めることも考えたと言いますが、怪我をチャンスに変え、東京五輪が目の前にあるところまで辿り着きました。

カヌーを始めたきっかけは?

東京五輪にかける思いとは?

カヌーを心の底から愛し、東京五輪に全てをかける棚田さんに、これまでの競技人生、これからのビジョンについて語っていただきました。



「甲子園に出たい」

カヌーの日本代表として、東京五輪の出場権獲得が手の届くところまできている棚田さんの幼少期の夢は、「甲子園に出たい」でした。

奈良県出身の棚田さんは、小学4年生から野球を始めます。そして、高校に入学するまでは野球を続けていたと言います。

父が野球経験者であったことや、周囲の友達に野球をしている人が多かったことから、「甲子園に出たい」という思いで野球に打ち込んでいました。

そんな“野球小僧”の棚田さんが、カヌーを始めたのは高校入学時でした。

幼少の頃から、“自然”が大好きだったという棚田さんは、高校入学時に「何か新しいことを始めたい」という思いになり、当時部員が数名しかいなかったカヌー部に所属します。

周囲の友人は、野球からカヌーに競技を変えた棚田さんに対して、「え、カヌー!?」という反応だったと言います。

しかし、棚田さんはカヌーを始めてすぐに結果を残します。

高校1年生から3年連続でインターハイに出場し、優勝も経験しました。さらに、高校3年生の時には、18歳以下の日本代表にも選出され、世界ジュニア大会に出場します。

カヌーは、全国的に見ても強い選手は小学生や中学生から競技を始める人が多いと言います。

しかし、高校からカヌー競技を始めた棚田さんは、3年間で輝かしい実績を残しました。

「漕いでいるのが気持ちいい」「水の上にいる感覚が普段と違って楽しい」

棚田さんは、高校での3年間で完全にカヌーにハマったと言います。

大学でもカヌーを続けると決めていた棚田さんは、立命館大学にスポーツ推薦で進学しました。


「辞めようかな」

立命館大学スポーツ健康科学部に進学し、体育会カヌー部に所属した棚田さんは、「2回生までにインカレ優勝」「日本代表に選出される」という目標を掲げて競技に取り組みます。

しかし、1回生のインカレ直前に怪我が棚田さんを苦しめます。

手首を骨折してしまった棚田さんは、約4ヶ月間乗艇することができなくなり、インカレにも出場することができませんでした。

怪我で乗艇することができない間は、陸地でのトレーニングで体力強化をしたと言う棚田さんですが、モチベーションを高く保つことが難しく、「カヌー辞めようかな」と考えた時期もあったと言います。

しかし、「カヌーが好き」という思いだけは捨てきれなかったと言います。そして、怪我から復帰した2回生のインカレでは、優勝を勝ち取ります。

棚田さんは、「1回生で怪我をしてしまった時は、カヌーを辞めようか考えるほど苦しかったですが、2回生でインカレ優勝した時は、1回生の怪我の時期があったからこそ優勝できたと思えました。今では、怪我で出られない時期は結果的に良かったと思います」と当時を振り返ってくれました。

怪我という苦しい期間をチャンスに変え、成長を遂げた棚田さんは、「2回生までにインカレ優勝」という目標を達成しました。

そして、「日本代表に選出される」というもうひとつの目標の達成に向けて、大学生活残り2年間を過ごします。



「東京五輪」

「日本代表に選出される」という目標の達成に向けて夏は週6日、冬は週4日のカヌー部のハードな練習を積み重ねてきた棚田さんは、3回生で23歳以下の日本代表に選出されました。

23歳以下の日本代表に選出され、高校3年生の時に18歳以下の日本代表に選出されて以来の世界大会に出場しました。

棚田さんは、高校と大学で経験した世界大会を比較して、「高校の時は初めての世界大会だったので、全てが衝撃的でした。準決勝に上がることもできず。タイム差もかなりあって、本当に世界の選手に衝撃を受けました。しかし、大学での世界大会では、準決勝まで行くことができ、トップの選手とも1秒以内の差で、確実に力をつけることができていると感じました」と語ってくれました。

大学入学後も着実に力をつけ、世界の選手との差を埋めてきた棚田さん。

4回生になると、年齢制限のない日本代表に選出され東京五輪の出場権がかかった大会に出場しました。

全体の順位は21位という結果で、出場した大会で東京五輪の切符を手に入れることはできませんでした。

しかし、今年の3月末に開催されるアジア大陸枠最終予選で優勝することができれば東京五輪の出場権が獲得できます。

棚田さんに、「今の目標は?」と聞くと、即答で返事が返ってきました。

「東京五輪です」

怪我を乗り越え、自ら設定した目標を確実に達成し、何よりもカヌーを愛する棚田さんの「東京五輪です」という言葉からは強い意志と覚悟を感じました。


「成長させてくれる環境」

棚田さんにとってカヌー部は、「成長させてくれる環境」だと言います。

棚田さんは、「部員ひとりひとりが上に行こうとギラギラしています。自分自身にギラギラしているものがなくなった時に横を見たら、ギラギラしている仲間がいます。そんな仲間を見て自分も頑張らないといけないと思います。立命館大学のカヌー部はそんな素晴らしい環境です。本当に立命で良かったです」と語ってくれました。



3月末に開催されるアジア大陸枠最終予選での結果で東京五輪出場が決まる棚田さん。

「東京五輪です」と即答してくれた時に感じた棚田さんの強い意志は忘れません!夢の舞台で輝く姿を楽しみにしています!!

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