Beyond


2020

Vol.28 剣道部 4回生 谷口瑛利子

名前:谷口瑛利子さん

回生:4回生

学部/学域:文学部/地域研究学域

部活:剣道部


止まらない剣道部への愛「私、剣道部が大好きです!!」

今回のBeyondは、剣道部で主務を務める谷口瑛利子さんです。いつも明るくて陽気な性格の谷口さん。辛いことも颯爽と乗り越える強い谷口さんのハートには、剣道そして剣道部への愛が溢れていました。

 

剣道って楽しい!

中学入学時、入る部活に悩んでいて、兄の影響で何となく始めた剣道。幸運にも、入った剣道部の雰囲気や環境・剣道という競技もまた、彼女に合っていた。ただただ剣道が楽しくて、剣道部といる時間が楽しかった。純粋に剣道を楽しみ、剣道部と笑い、それが全ての中学時代だった。

 

笑顔の裏に

高校は、志望していた公立高校には届かず、滑り止めだった金沢高校に入学することに。剣道部は強豪であったため、入部はためらったが、挑戦することを決意。やるだけやってみると、覚悟を決めて強豪剣道部の世界に飛び込んだ。剣道を長年続け、偶然にも彼女と同じ境遇を辿っていた筆者は、この先の彼女が何となく見えた。『ここからは話のトーンが暗くなるかな』そう直感した。しかし、彼女は違った。高校時代の話をしている中で、彼女の口から「あの時は辛かった・挫折した」そんな言葉は出なかった。それどころか、「剣道部の仲間に恵まれて。剣道が楽しくて。」と終始笑顔だった。聞いた話から考えるに、入学当初の劣等感に始まり、選手になれない悔しさ、など現役時代の中で様々な壁に当っていたはずだ。そんな話は一切触れず、楽しかった思い出を振り返るかのように剣道部について話した。その話に筆者もすっかりもっていかれ、気づけば、中学同様「剣道が好きで、剣道部が好きだった」で高校時代の話が終わっていた。とはいえ後に、筆者は素朴な疑問を問うた。「挫折を感じたこととかって、なかったんですか?」すると彼女は「確かにあったかもしれないけど仲間が良かったから乗り越えられました!」そう笑顔でさらっと答えた。入学当初、輝かしい実績をもつ人が集まる中でも、決して負けずに貪欲に練習し、チャンスを確実に自らの手で掴み選手になり、最終的にはインターハイ出場まで果たした、谷口さん。そのサクセスストーリーをつくったのは、他でもなく谷口さんであり、その成功は彼女自身の努力の賜物といえるだろう。決して自分の苦労話はせず、全てを明るく笑顔で語ったが、その裏には幾多の困難を乗り越えてきた彼女の強さがあった。



新たに見つけた自分の愛する場所

 正直大学で剣道を続けるかは迷ってはいたが、友達の誘いで剣道部の見学に行ってからはとんとん拍子で入部まで話が進んだ。大学での剣道について尋ねると、即座にこんな回答が返ってきた。

本当に剣道部、楽しいんですよ。1回生の途中で自分が全く女子大生らしいことしてないことに気づいたんですけど、それでも私にはそれに代わるものがこの剣道部でいいかなって思えました。とにかく剣道部が好きということを伝えたいですね。」声を弾ませた。言葉からわかるように、とことん剣道部が好きでたまらないみたいだ。

これほど生き生き話す彼女だから当然、大学でも選手としても活躍していると筆者は思い込み、4年間での戦歴や試合について尋ねた。すると意外な答えが返ってきた。

「あ、私全然戦歴とか大学ではないですよ。」筆者は驚いた。

「え、それでも練習頑張ろうって思えるんですか?選手に対して、なんであいつがとか妬みがチーム内であったりしないですか?」

剣道も仲間も好きなので、試合云々ではなく練習は頑張れます。選手への妬み?それはないですね。選手になった人は頑張って試合して、あとの人は選手を応援します。それだけです。」

あまりにも混じりけがなく、当然のことのように話す彼女にうなずくしかできなかった。疑ってしまいたくなるほど、できた人である谷口さん、そして絵にかいたような良いチームには筆者も圧巻だった。



支える人としてできること

3回生の時、チームは関西優勝を果たした。その大会で彼女は『選手外の支える人の力の大きさ』を強く感じたという。支える人次第でいかようにも変わるチームを見て、『支える人としてチームに貢献したい』その想いから、主務をやると決めた。主務の仕事は多くてもハンデなく練習はあり、大変なこともあろう。それでも、相変わらずの笑みで、彼女は主務について話してくれた。「話すことが好きなので、上下関係なく誰にでも話しかけています。それによってチーム内で、縦も横もよい関係がつくれれば、チーム力の向上に繋がると思っています。また常に、俯瞰してチームを見て、問題解決の際には一歩引いて冷静に判断することを心がけています。」間違いなく彼女は、縁の下の力持ちとして剣道部に大きく貢献しているだろう。


 

ピリオドを打つ前に。

彼女は大学で剣道はやめようと考えている。剣道人生の終わりを前に10年間剣道を続けてきて、彼女なりにわかったことがあるという。それは「剣道は人と人をつなぐ」ということ。剣道を通して出会った仲間はかけがえのないものであり、その出会いをくれたのが剣道だったという。その実感が彼女にこの答えを導かせた。

更に彼女にとって剣道部とは「自分を成長させてくれる場」だという。この言葉にもまた、尽きない彼女の剣道部への愛があった。 

 

彼女は自身の剣道人生を語る中で、常に「仲間が良かった」そう言った。実際、仲間に恵まれてきたことも確かだろう。一方で、その仲間に恵まれる素質は、彼女自身が持っているものではないか。やることはしっかりやるという強い意志を持ち、何事も明るく笑顔でこなす彼女の人柄・人間性こそが良い仲間を集めているように感じられた。

卒業後について訊くと、女性の活躍できる職場で働きたいと目を輝かせた。剣道を通して成長し、強くなった彼女が1女性として社会で活躍する未来はきっとそう遠くないだろう。



剣道部が気になった方は是非観戦に行ってみてください!

試合日程配信アカウントは以下のURLから

https://lin.ee/8vzo3P6


インタビュアー:産業社会学部・スポーツ社会専攻・2回生・市川菜々香



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