「相撲は手段」
叶えたい"相撲DREAM”とは?
本日のBeyondは、相撲部4回生の今日和さんです。
10月16日に英国の公共放送BBCが、人々に感動や影響を与えた世界各国の女性を選ぶ、「2019年の女性100人」に選出された今さん。
立命館大学体育会相撲部としての試合はもちろん、日の丸を背負い日本代表として世界の舞台でも活躍されています。
今さんの描く相撲の未来とは?
叶えたい“相撲DREAM”とは?
明確な目的をもって相撲と向き合う今さんに、これまでの相撲人生、そしてこれからの相撲人生について語っていただきました。
「勝つことが楽しい」
青森県出身の今さんは、3歳年上の兄の影響で小学1年生の時に相撲を始めました。
今さんの地元である青森県鰺ヶ沢町は、相撲が盛んな地域で幼い頃は、周りの友達も相撲をしている子が多かったと言います。
元大相撲力士で、現在は相撲解説者として活動している舞の海さんの地元も青森県鰺ヶ沢町です。
そんな、相撲が盛んな地域で生まれ育った今さんは、幼い頃は内気な性格だったと言います。しかし、相撲の取組で勝つと、たくさんの人が褒めてくれ、「勝つことが楽しい」という思いで相撲を続けていました。
しかし、大学入学までは、「勝つことが楽しい」と思う一方で、「相撲を辞めたい」という思いも常に抱えていたと言います。
相撲は年齢が上がるにつれて、女性選手の人口は減少し、女性選手を取り巻く環境は決して良いとは言えません。
さらに日々過酷な稽古を行わなければならず、今さんは、小学校から中学校、中学校から高校、高校から大学に進学するタイミングで常に「相撲を辞めたい」という思いがあったと言います。
周囲の方々の、「今さんに相撲を続けて欲しい」という強い思いもあり、「相撲を辞めたい」と思いながらも、競技を続けて結果を残してきました。
大学生になった現在は、”ある思い”を持ちながら日々相撲と向き合っています。
「相撲を世界に広めたい」
高校3年生まで青森県で過ごした今さんは、高校卒業後に立命館大学国際関係学部に入学します。
高校までは心のどこかで、「相撲を辞めたい」という気持ちがありましたが、現在は、”ある思い”を持って相撲に取り組んでいます。
それは、「相撲を世界に広めたい」という思いです。
大学生になった今さんは、現在も女性選手として様々な大会に出場して結果を出しています。
それと同時に、「相撲を世界に広めたい」という思いから、様々な国で子供達と相撲を行う“ちびっこ相撲”を開催しています。
今さんが、「相撲を世界に広めたい」という思いを持つきっかけになったのは、今さん自身が幼い頃から海外選手との交流大会や、日本代表として世界と戦う経験をしたことが大きかったと言います。
今さんは、「相撲を続けてきたことで、自分の身体一つで道を切り拓くことができて、世界を経験することができたました。多くの人に同じような経験をして欲しいです」と話してくれました。
そして、ただ単に世界中に相撲を広めたいだけではなく、その熱い思いには明確な目的があります。
「相撲DREAM」
日の丸を背負い、世界を舞台に活躍している今さんにとって、相撲は手段だと言います。相撲を続ける目的は、「相撲DREAM」を叶えるためだと言います。
<相撲DREAM>
相撲で幸せになってもらう。
今さんは、「世界中の貧困に苦しむ子供達や教育を受けられない子供達に、相撲を知ってもらい、相撲を通して幸せになってもらいたい」と言います。
そして、「自分が相撲の世界チャンピオンとして、世界中の子供達に相撲を広めたい」と話してくれました。
そのために、競技者としてさらに結果を残し続けたいと言います。
競技者として、世界大会で上位に入る今さんが、「相撲は手段」と言い切れるのは、立命館大学体育会相撲部に所属していることも影響しています。
立命館大学体育会相撲部には、現在男子8名、女子3名の部員が所属しています。
そして相撲部には、男子が「インカレベスト8」、女子が「団体日本一」、「個人世界一」という目標があります。
しかし、相撲部で最も大切にしていることは、「相撲を通した成長」だと言います。
このような相撲部の環境にいるからこそ、今さん自身も「”相撲”は手段で目的は”相撲DREAM”」と言い切れるのでしょう。
「安心させてくれる場」
今さんにとって相撲部は、「安心させてくれる場」だと言います。
日本代表として海外の大会に出場する時や、思い通りの結果を出せなかった時でも、相撲部のみんなが温かく迎えてくれると言います。
今さんは、「相撲部のみんなは、“選手”としての自分ではなく“人”としての自分を応援してくれる。相撲部は凄く居心地のいい場所で大好きです」と話してくれました。
今さんは、大学卒業後に日本初の実業団女性選手として相撲を続けることが決まりました。
”相撲”を手段として、“相撲DREAM”を実現するために競技者としてさらなる高みを目指す今さん。
将来、今さんの活躍はもちろん、”ちびっ子相撲”を経験した世界中の子供達が女性選手として活躍する姿が楽しみです。
※お知らせ
女性禁制の方針を貫く相撲界で女性選手はプロになることができない中、様々なチャレンジをし続ける今日和さんの短編ドキュメンタリー映画がNetflixで公開中です。
是非ご覧ください!